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p.77 猫(ネルソン)と陶芸家(中尾哲彰)

  • 執筆者の写真: 作者の息子
    作者の息子
  • 2 日前
  • 読了時間: 4分

更新日:19 時間前

4月2日。

今日は、我らが窯の監督猫、ネルソンの誕生日。


ネルソン監督、実はまだ5歳。

大きくてモフモフで貫禄があるので、大人に見られるのですが実はまだ若い。


もう1匹のちょび髭、ポッキーの方が10歳以上年上

こちらがポッキー
こちらがポッキー

(実は、拾い猫なので正確な年齢は分かっていない...しかし、姉が高校生の時に連れてきたから15歳以上であることは確実だろう)


5年前のネルソン
5年前のネルソン

そんなネルソンだが、子猫の時から父にベッタリ。

そして、すぐに工房にもついて行くように。

だから、年齢≒監督歴という、そのキャリアは長い。



視線の先にはろくろに座る父
視線の先にはろくろに座る父

しかも、その才覚は早くから覚醒した。

工場は、ネルソンにとって遊び場であり、職場であり、一番落ち着ける大好きな場所。


父の奏でるろくろの音を子守唄に、皿板の上で夢を見る。


最近あげた昔の動画のワンシーン
最近あげた昔の動画のワンシーン

今や、YouTubeも登録者10万人を超え、SNSでも窯の人間の誕生日よりもいいねを集めるネルソンの誕生日だが、始まりはこの4年前のこの動画だった。

TikTokに初投稿したものをYouTubeにもあげたもの

すべては、このシーンを撮影した母のこの一本のホームビデオ。


その頃、息子は東京に、娘はオランダにいたため、退院しての父の様子を定期的に動画に撮って家族LINEに送ってくれていた。


そして、それを私が編集して恐る恐るTikTokにあげたのが始まりだった。


まさかの初投稿で、30万回再生以上!

これは続けるしかない..!

そして、そこから皆さんからいただくコメントに、エネルギーをもらいながらここまで作り続けてきました。

父はLINEの使い方が分からないため、いつも母経由。
父はLINEの使い方が分からないため、いつも母経由。

そして、こんなシーンも話題に。

父の傑作『銀河のオデッセイ』をベッドに眠るネルソン。


オデッセイの中で見る夢は、どんな心地なんだろう。

夢の中で、銀河を駆け巡っているんだろうか。


夏はひんやりと冷たいのが最高らしい。
夏はひんやりと冷たいのが最高らしい。

猫に小判は、この猫には通用しないのかも知れない...

このポテンシャルは、早くも1歳に満たない時には開花していた。

0才の時にはすでにオデッセイは、彼の秘密基地
0才の時にはすでにオデッセイは、彼の秘密基地

ネルソンにとっては、父だけじゃなく、父が作った作品も宝物。

そして、父の大事な書斎さえも、彼にとってはプレイグラウンド。


父の椅子に上る
父の椅子に上る

そうこうしているうちに、ネルソンの人気が手の届かぬところへ


気づけば、テレビにも多数出演するようになり、本にも特集されるように..

取材を受ける監督
取材を受ける監督

そして、その姿はついに、銀河をまといお皿やオリジナルグッズにまで..!

最初のネルソンがモデルのねこ皿
最初のネルソンがモデルのねこ皿
現在制作中のネルソンキャップ新カラー
現在制作中のネルソンキャップ新カラー

今や、沢山の新作のモデルにもなったネルソン。

自分の餌代を自分で稼ぐ、優秀な猫だ。


いや、もはや私たちこそが食べさせてもらっているのかも知れない...

ふっくらもこもこシルエット
ふっくらもこもこシルエット

特集されたこの本によれば、ステンではなくネルソンこそが一番弟子らしい


息子である私の席はどこへやら...

『黒猫まみれ ふわもこ満タン号』の特集
『黒猫まみれ ふわもこ満タン号』の特集
「銀河のように果てしなく深い師弟の絆」

今振り返って読むと、見出しのこの言葉がいっそう深く感じられる。


星となった今も、その絆は宙で繋がっているんだろう。

嬉しそうに読む父。
嬉しそうに読む父。

先程の本にも書かれていたが、父にとって黒猫は特別な存在だった。


50年以上も前から父を知る学友の方が寄せてくれた回顧展でのコメント曰く、

中尾哲彰氏と私達の交流は50年以上になります。若き日20代前半の頃、"読書会"と称して中尾宅に良く集いました。一晩中語り明かし、お母様が朝食を用意して下さった事が何度も。黒猫は50年前からずっと存在し、窓から出入りしていました。名前もユニークで"チャーチル""ガンジー"など政治家の名前でした。今はネルソン君ですね。

ずっと、そばで父を見守ってきた黒猫。


中尾家では、猫の名前は歴史上の偉人から取って名付けられることが多い。

そして、ネルソンは、父が名付けた最後の猫となった。


アフリカの偉人の名前はつけたことがないからと、人種差別問題に身を投じ、ノーベル平和賞も授与された、南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領から頂戴したこの名前。


彼の願いは、猫の名前にまで平和へと通じていた。


その回顧録のコメントでは、こう続く。

彼の信念は50年前から決まっていて、知識や経験、さらに家族の力で太くなり、一途に生き抜いたのですね。そして今新しい芽が伸び始め、若葉が輝いています。これから大きく枝を伸ばし、さらに大きな木へと成長して行く事を願っています。この回顧展は類い稀なる彼の人生が実に見事に凝縮され、分かりやすい表現で感動しました。世界の多くの人々に彼の"想い"が伝わる事を願っています。

ネルソンは、彼の想いを今も届ける伝道師なのかも知れない。


ネルソン、誕生日おめでとう。

長生きして、この窯を見守っておくれよ。




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